ふと思い出して、高校の卒業アルバムを見た。
目当ては写真ではなくて、友人たちが私に向けて書いてくれたコメントたちだ。
多くの友人が私を「頑張り屋さん」だと言ってくれていた。
あと、髪が綺麗もあった。
あと、独創的な空気とかもあった。
ただの、普通の大人になったな〜とそれを読んで思う。
でもあの頃は大人になったら隠居したいとか言っていたから、穏やかに過ごしたいと思っていたのかもしれない。
なら、その願いは叶っていなくもない気がする。
1日だらだらと本を読み漁る生活をあの頃は願っていた。
庭に小さな畑があって、そこで野菜を取る。
ただのんびりと、蓄えた知識を使うこともなく世の役に立つこともなくただ存在するだけ。
専業主婦生活は、ちょっとそれに近いかもしれない。
でも、せっかくできたと思った時間は本じゃなくてスマホを手に取って無為にしてしまうんだけれど。
そんな私に若者からの「頑張り屋さん」という評はちょっとグッとくるものがある。
「そんなんじゃないよ」とも思うし、「当時はそうだったかも」とも思う。
じゃあ、今はどうだろう。
今は「頑張ることが怖い」と思っている。
私は頑張った。
頑張って頑張って頑張った。
そうしたら、双極症なんて病気になってしまった。
頑張ると疲れてしまう。
疲れると泣いてしまう。
だから、頑張ることは怖い。
主治医からは「頑張るなら6割まで」と言われている。
そんなの正確にわからないのだけれど、全力で私は頑張ってはいけなくなった。
全力を出すと、あまりに後日に響くようになった。
でも、もしかして響いていいのかな?
今はまだ娘が小さいけれど、大きくなれば「ママは今日はお休みの日」と言ってゴロゴロ休んでいてもいいのかもしれない。
それが許されるなら、響いてもいい気がする。
何も毎日を同じに生きなくてはならない決まりはない。
だったら私は、頑張っていい。
昔のように、誰かには輝いて見えていたように、私は頑張っていい。
だったら、何を私は頑張ろう。
今は毎日料理をしたい。
そうして節約したいのだ。
我が家は外食が多い家庭で、もちろんその分食費も嵩んでいる。
そこを抑えたい。
疲れてもいいとするなら、簡単に作れるメニューもいくつか持っておくべきだな。
そうじゃないと、疲れたら料理をサボってしまうから。
でも、最近は同じ献立を繰り返していて楽にしている気がする。
なにより、娘が食べる献立を繰り返しているから、心理的に楽なのだ。
ちょっと飽きた時用に、変わり種も考えておこう。
そうそう、頑張りたいことといえば掃除も頑張りたい。
娘がボロボロ食べ物を床にこぼしてしまうから、それをしっかり拾って水拭きしたい。
最近掃除をサボってしまったから階段も廊下も埃が目立ち始めた。
箒がけをしたいな。
そして今日は金曜日だ。
家計簿もつけておきたいな。
それをするにはテーブルの上が少し散らかり過ぎている。
まずはこれを片付けなければ。
こう書いていくと、私は家事を頑張りたいのだなと思う。
家をピカピカにして、夫と娘に快適に過ごしてほしい。
あと、主治医の許可が出ればパートも始めたいと思っている。
いつも通り半年で辞めてしまうかもしれないけれど、今度は大丈夫な可能性だってあるわけだし。
パートか。
もちろんお金が欲しいのが1番大きい。
少しでも収入は多いに越したことはない。
あと、私がちょっと家の外に出たい気持ちもあるかもしれない。
私の人間関係が狭くて窮屈なのだ。
もっと人と話したい。
うん、そうやって人生を楽しみたい。
私は頑張ることが楽しい人だったと、思い出すことができた。
病気になった時は、頑張ることが苦しかった。
でも、本来なら頑張るのは楽しいのだ。
今度は苦しくないことを頑張りたい。
ということは、頑張っても苦しくないこと、楽しいことを探さなくてはならないな。
家事は家族が喜んでくれて嬉しい。
ただ、実家の母と比べてしまうとレベルが低いから比較はご法度。
何かに集中するのも悪くない。
例えば昔習っていた書道とか。
ああ、ピアノも楽しいだろうな。
それから、時々になるだろうが本を読みたい。
紙の本も買っていいことにしたのだ。
面白くなかった本は売ればいいのだと気づけた。
でも、シリーズを揃えれると数が多くなるラノベは電子かな。
電子で読む方がサクッと読める本もあれば、紙で読みたい本もあるから不思議だ。
本を通していろんな世界や考え方に触れたいと思う。
それが何になるかはわからないけれど、楽しいからいいのだ。
いいね〜。
ワクワクしてきた。
そうそう、もういい歳した大人だから、髪も美容院でちゃんと手入れしないとね。
せっかく綺麗だと言ってくれた人がいたのだから。
もし今会っても、変わらず綺麗だと思って欲しい。
変わらず、可愛い笑顔だと思って欲しい。
そう、変わらず魅力的な人間だと思って欲しい。
そのためには、別に働くことも病気じゃないことも必須ではない。
私は今の私のまま魅力的で在れると、なんとなく思えたからすごい。
友達の言葉ってすごいんだな。
私も、元気になれる言葉を綴って行けたらいいな。
そんなことを思いながら、散らかったリビングを苦笑して見渡すのだった。